初恋ショートケーキ




なんだか分からないけど突然始まった先輩の自己アピールタイム。

もしかして、これは…注文に答えてくれているのだろうか?

だとすれば、いいのかな?

聞きたかったことを、前は上手く言葉にできなかったことを、聞いたら…答えてくれるかな。




「じゃあ…血液型は?犬派ですか?猫派ですか?あと、どうやったら先輩は笑ってくれますか?」

「血液型はO型で犬よりは猫派。基本的に冷めてるからつまらないことで笑ったりしない」

「ほんと冷めてますね…じゃあ最近笑ったことは何ですか?」

「…ある客が幸せそうにショートケーキ食ってたときは笑った。その客はいつもケーキ食うとき目キラキラ輝かせて口いっぱい頬張ってて。その顔が面白くていつも笑ってる」

「そ、それって…」


その時、再び風が吹いてきて…先輩の栗色の髪の毛が靡く。

サラサラと音が聞こえてきそうなほど綺麗なその髪に触れてみたくて無意識に手を伸ばしソッと撫でた。