森には木のみがなり、畑にはたくさんのおやさいがとれました。小さな家でしたが、少女の部屋の窓にはリスがあそびに来たり、庭にはキツネがあそびにきたりして、楽しい毎日でした。
 少女は、おじいさんとおばあさんに秘密にしていることがありました。それはどうぶつと話ができることでした。リスやキツネと話ができることを知ったら、びっくりしてしまうとおもったからです。
 森の生活でたりないものがあると、海べの街に買いものにいきました。少女は、海べの街への買いものが大すきでした。いつも、いちごジュースを買ってもらえたからです。森の中は、木や、草花のよいいかおりがしましたが、海べの街は、しお風のよいかおりがしました。
 海べの街は、とてもよい街でした。
 人びとはわらいあい、道ですれちがえば、あいさつをして、だれもが楽しく、たすけあってくらしていました。
 ある日、少女は、おじいさんに海べの街に、おつかいをたのまれました。
「おばあさんが、きいちごでジャムをつくるから、おさとうを、買ってきておくれ」
 そして、おこづかいもくれました。
「おさとうを買ったあと、いちごジュースを、買ってもいいよ」
 少女は、びっくりして、ちょっぴりうれしくて、はずむように海べの街に、買いものに行きました。
 小さなころから、おじいさんとおばあさんと、なんども通った道です。新しいきqをむかえて、新しい葉が、森の中で生まれ、よいかおりがする道を、少女は歩いていました。
「おや、今日は、一人で、おでかけ?」
 窓辺にあそびにくるリスが、声をかけてきました。