手袋もマフラーも着けずに出た外は、すごく寒く感じた。 おばあちゃんの家にいる時みたいに。 けど… 右手が手が温かいのは、夏生が手を握ってくれているせいかな。 真っ白な息が、形を作っては消える。 「風嘉。」 気が付けば、公園まで来ていた。 未だに繋がれたままの手。 呼ばれた名前に夏生の方を見ると、瞳が重なった。 「俺さ、まだ風嘉が好きなんだけど、あの時の返事聞かせて?」 思い出したばっかりで悪いけど、と苦笑をして、けど、真剣に…真っ直ぐに。