雪の王子様






「風嘉…!」




「ナツキ…っ、夏生…!!思い出したよ…っ、ぅ…クッ…忘れてて、ごめんね…!」




「風嘉…っ」




さらに強く抱き締められて、私も強く、抱き締め返した。





夏生…




私の涙が止まるまで、夏生は抱き締めていてくれた。






「夏生…有難うね。」





そう言うと、優しい笑顔で微笑んでくれた。




「帰ろっか。」





「うん…」





夕日の温かいおれんじ色に包まれながら、私たちは校舎を出た。