雪の王子様






「ナツキに…会いに来た…」





「俺に…?」




ナツキが疑問に思うのも当たり前だよね。




「何でナツキは…あそこで私と会ったの?」




今までは私のために会うのを避けてたのに…




「私ね、…っ…クッ…ぅ…」





いきなり溢れだす涙に、戸惑うナツキ。




「風嘉、落ち着いて。」




そう言って背中をさすってくれるナツキの温かさが、愛しく感じた。





「ごめん…っ…ごめんね…っ!!」




「風嘉、どうしたの?」




私はナツキの顔を見た。





「今まで…忘れててごめんね…っ!!」





ナツキの動きが一瞬止まって、止まったその手は、私を抱き締めた。