雪の王子様






けど…




ナツキと確信したものの、これじゃあ声がかけられないよ…





どうしよう、と私が女の子たちの方を見てると、





「ナツキくん!!先生が呼んでるよ!!」





と、なっちが叫んだ。





その声に静かになる女の子たち。





振り向くナツキ。





「…っ」





視線が、重なった―…





ナツキは私たちの方に来た。




「さっきの嘘ね。」




なっちが小さい声で…私たちにだけ聞こえるようにそう言った。





そして、私のブレザーを取り、なっちが自分のブレザーを私に着せる。




そして…




「早く先生のところに行ってきなよ。あと、この子怪我しちゃったみたいだから、手当てしてあげて?」





と、言った。