雪の王子様






翌日、みっちゃんとなっちは1日に3本しかないバスで帰った。





そういえば、私もここにいるのってあと少しだなぁ…





「風嘉、お使い頼んでいいかしら?」





お茶の間から聞こえてきたおばあちゃんの声に、




「はーい!」




と、返事をした。






「寒い…!」




やっぱり外はシンとした冷たいはりつめた空気で、手袋とマフラーは必需品。




なんだかこういう日って、ナツキが現れそうだなぁ…




っていうかこういう日って…毎日だよね?




今思えば、外に出ればいつだって毎回ナツキに会ってる。





「風嘉!」




ほら、やっぱり。




けど、あと少しで帰るって考えたら、ナツキと会えるのもあと少しで…




ナツキのその笑顔が、何だか愛しく感じた。




「お使い?」




首にかかったポーチを見て言った。




「うん。ナツキは?」




「ただの散歩。」





散歩か…




「毎日してるの?」





「んー…毎日…かな。」




だから会うのかな?