雪の王子様






「大丈夫?風嘉。」




「え…?」




大丈夫って…




あ…




気が付いたら、私はしゃがみこんでいた。





「…うん、大丈夫だよ。」




笑顔で言ったつもりだったんだけど、きっと上手く笑えてなかったんだろう。




だって…




ナツキが眉間にしわを寄せ、まだ心配そうに私を見ていたから。





「とりあえずさ、友達、風邪ひいちゃうからうちにおいで。風嘉の家より近いから。」




「うん…ありがとう…」




さっきまでの出来事を自分のことで忘れていた私は、なっちたちの方へ急いで行った。