耳鳴りが、だんだんはっきりした声になってきた。 私は怖くて耳をふさいだ。 『……て…!』 『…か…!!』 誰…? 何て言ってるの…? 『助けて…!』 『風嘉…!!』 へ…? 風嘉って…わ…たし…? 『夏生…!!!』 夏生… ナツキ…? 「風嘉…!!」 すごく近くて声がしてハッと顔をあげると、 「ナツキ…」 心配そうに私を見る、ナツキの姿があった。