雪の王子様





そしてもう一枚。




見よう見まねで書いたような、よれよれの文字で名前が書かれていた。




『夏生・風嘉』




ナツキ…




夏生…




どうして…?




ナツキは何を知っているの?







「ただいま…」




雪が降っていて寒いことさえ忘れて、ただ突っ立っていた。




自分が分からなくなって。




家に帰った私は、疲れきって直ぐに寝てしまった。




ナツキ…




ナツキ…