「守れって…。」
 すると、女の子を追いかけていた男が…
「おいッッ!!!」
「キャァッ!!」
 女の子の腕を摑んだ。
「なんや?オレの凛になんかようかッッ!!!?」
 そう言い、男の手を振り払った。
(ついつい…調子に乗ってしもた……)
「あぁ…?って…優先輩……。」
「あぁ? って…亮太やんけ…。」
 亮太は、オレの後輩…。今は中学3年生。
「先輩…オレの凛って…プッッ(笑)」
「笑うなや…。この子が『助けて』って来たから…。」
「おい!! 凛!!! 先輩に謝れ!!!」
 そういい、亮太は凛ちゃんの腕を引っ張った。
「いいよいいよ。で? どないしたんや?」
「なぁ。 優!!! この子誰??」
 横で、陽太がクビを傾げとった。そうや。陽太は、オレとは別の部活やったから亮太のこと知らんのや…。
「亮太か? こいつ、オレと同じ部やったんや。 後輩やで。」
「そうなんや…。 なんか、ガラ悪そうやな…。」
 陽太がボソっとつぶやく。たしかに、亮太は、周りから見ると結構チャラい。でも、結構いいやつや。
「まぁまぁ…。 話聞いたろうや…。」
 小さく頷く陽太。そして、オレは亮太の方を見た。
 すると、亮太は下をむいとった。
「なぁ…。 お前らに何があったかは、オレには関係ないけど、凛ちゃんの『キャァー』って悲鳴聞いたら、何があったか気になるやろう??」
 すると、亮太は重たい口を開いた。そして、ボソボソと何か話し始めた…。
「……られたんっすよ。」
「は??」
「俺…俺……さっき、凛に………フラれたんっすよ!!!!!」
(なんじゃそらぁーーーッッ!!!!!)