手抜きだと言いながらも母さんは朝ごはんを作ってくれていた。

俺の席には、豆腐の味噌汁、焼き魚、ご飯、納豆、お茶それぞれがそれぞれの位置に並べられている。

桃果の席には、トースト、目玉焼き、ヨーグルト、サラダ、フルーツ、スムージー。

桃果は、何になるつもりだろう。草食動物にでもなるのだろうか。

「ふはっ!」

突然吹き出した俺を桃果は不思議そうに見つめ、

「今何考えてたわけ?絶対馬鹿にしてたでしょ?」

と、聞いてくる。

「いや、ちょっとね 笑笑」

桃果について笑ってたなんて言ったら、何をされるかわかんない。こいつはこう見えても、運動神経抜群で、空手、柔道は、黒帯だ。

俺と張り合える唯一の女だろう。

ーザザザザザザザザザザ、ザッザッー

「次のニュースです」

突然テレビが騒ぎ出した。

何かあったのだろうか。