スマホの目覚ましの音で起きた。つもりだったが、止めたのは10分前らしい。
「はあ...。起きますか」
ベッドから出て、鏡の前に立つ。パジャマを脱いで、ワイシャツと、ズボンを着る。うちの学校はセーラーが可愛いと、女子に人気だ。だが、学ランはと言うと、至って普通。女子のセーラーの色に合わせてグレーなこと以外、どこにでもある普通の学ランだ。手にパジャマを持ち、タンスまで歩く。タンスを開け、赤色の生地に、黒で英文字が入ったパーカーを出す。これをワイシャツの上に来て学ランを着る。これが俺の毎日の格好だ。

なぜか今日はもう1枚パーカーを持っていった方がいい気がした。俺の勘はよく当たる。悩んだ末、少し荷物は増えるが、持っていくことにした。
部屋のドアを開け外に出る。桃果はまだ部屋に居るようだ。階段を降りている途中で、桃果の部屋のドアが開く音がした。降りたところで桃果を待つ。

「おはよ、雪翔」 「おはよ、桃果」
いつものように挨拶を交わす。
リビングへ行くと母さんが台所から声をかけてきた。それに俺は冗談で答えた。

いつもの朝。変わらない日常。