AM6:00
ーピピピピッピピピピー
ーガン!!ー

あたりはまだ薄暗い。もう10月も下旬だ。
「今日も寒そうだな」
ボソリと独り言を呟く。
ーガタンー
隣で物音がした。どうやら雪翔も起きていたようだ。
スリッパを履き、近くのハンガーにかかっている制服を手に取る。チャックに手をかけ、下ろすともこもこのルームウェアが脱がされ、真っ白い肌が露わになる。そこにグレーのセーラーを着る。襟をめくり、リボンを通す。さくら色のリボンだ。そして、白のカーディガンを着る。
(今日は寒いから黒のカーディガンも持っていこう。)
薄ピンク色のリュックを肩から掛け、階段を降りる。
「雪翔おはよ」 「おはよ、桃果」
降りたところで雪翔に会った。2人でリビングに入る。

「2人共ごめんね。今日お母さん仕事がいつもより、早くって朝ごはん手抜きなの。」
母が台所から声をかける。私たちのこの白い肌は母親譲りだろう。
「いいよ気にしなくて俺食べれればなんでも食べるし」
雪翔が冗談っぽく言う。
「そうだよ。時間ないんでしょ?もう行っても平気だよ。」
私がそう言うと、
「そう?そういうなら...。2人共ありがとね。桃果、雪翔ちゃんと学校連れてってね。鍵かけるのも忘れないこと!。じゃあ行ってきます。」

「はーい、いってらっしゃーい。」


これが最後の会話になるなんて夢にも思わなかった。