そんな生活から数年。俺たちが14歳のとき、
村で《聖女の儀》が行われることが決定した。

「選ばれたら嬉しいよね。」

と、彼女は言った。
この頃彼女は急に女の子らしくなっていた。
ボサボサだった髪の毛は栗色の艶のあるさらさらとしたものに、体つきも大人っぽくなって俺は彼女を見るだけでドキドキしてしまうようになった。

村で《聖女決定の儀》が行われたのはその数ヵ月後。
村の14~18歳の少女7人全員が祭壇の間に立たされた。
村の巫女と呼ばれる人がリボンを持ってくる。

「これより、リボンに次期聖女を選んでもらう神聖な儀式に入ります。皆様、お静かに見守りください。」

そう言って巫女はリボンを少女たちの前へ持っていった。

リボンは彼女たちの周りを回り始める。

村人は誰も話さない。

リボンは回る

彼女は7人中4人めのところに立っていた。

リボンは回る

俺は彼女が望むならば彼女に聖女になってほしいと思っていた。彼女は綺麗になったし、きっと聖女になっても皆が祝福してくれるだろう。

リボンは回る

他の少女たちは
皆に平等な村長の娘、
心やさしい素朴な少女、
みんなを引っ張ってくれるリーダー格の少女、
村で1番美人だとされている美しい少女、
歌で皆を幸せにしたいと言っている村の歌姫的な存在の少女、
手先が器用で皆に服などを度々作ってくれる少女
だった。

誰にも、彼女は負けていない。

そして、リボンは────