眠り姫

その衝撃的な出会いを私は鮮明に覚えていたために、翔も覚えていると思い込んでしまっていた。

「そうか…。
すまなかった。」

この短時間で何も知らなかった翔にとってはショックであろう事実をサラリと知らせてしまったという罪悪感が、大きな波となって押し寄せる。

とてつもない後悔を感じている私に気をつかったのか、

翔「まぁ別に両親にもみぃにも愛されてた自覚はあるから、今さら血の繋がりなんて気にしないけど。
さすがにびっくりしたっつーか…」

「本当にすまない。
申し訳ない。」

こんなに謝ることは恐らく人生で二度とないだろうと思うくらい謝った。