眠り姫

それから3日後の放課後。

外は雨が降っていたため、倉庫へは行かずに部屋で過ごそうと5人で視聴覚室へ向かう。

龍「雨とか降られるとなんかだりぃよな〜。」

そんなぼやきを聞きながら歩いていると、いつも閉まっているはずのドアが開いているのが目に入る。

私達はこの部屋のドアを開けっ放しになどしない。

不思議に思い、そっと近づき、中を覗いてみると、ソファに座った翔と、そこから少し離れたところにあの女の子が立っていた。

「チッ」

龍「み、みれーちゃん?」

「しっ」

静かにするよう合図し、みんなで隠れて窓の方から様子を見てみると、翔は不機嫌そうにしているのに対し、女の子はこちらの様子を伺っているようだった。

私たちがいることに気づいているのか?

…いや、違うな。他に誰か来るのか?