眠り姫

｢私は橘美麗と言います。
ここに立つ4人とは今日初めて会いましたが、翔は私の弟です。｣

そこまで話したところでザワザワしだした。

?｢氷の女王じゃん!｣

?｢え、翔さんのお姉さん!?｣

氷の女王って…同じ学校の人いるんだ。

再び口を開くと、黙ってくれた。

｢私は暴走族のこともあなた達のこともここに立つ彼らのことも何も知らないけれど、私の大事な弟が大切にしているこの場所を、あなた達を、彼らを知りたい。
だから受け入れて欲しいとは言わない。
ただ、少しの間あなた達が目にする景色や、感じる思いを共有する機会を頂きたいのです。｣

そう言って頭を下げた。

そして気づいた。

あぁ、私は知りたいのだ、と。

私の弟が、ここへと連れてきてくれた彼らが大切にするものとは何なのか。