眠り姫

初めてバイクに乗った。

正直、学校からそんなに遠くない距離だったようだが、時間が長く感じるほどにはバイクという乗り物は怖かった。

着いた先は船をしまっておくような大きな倉庫で、私が想像していたようなさびれた感じのないキレイな建物だった。

翔に手を引かれて中に入ると、数名仲間らしき人達がおり、

「「「「お疲れ様ですっ。」」」」

と、体育会系の元気の良い挨拶が飛んでくる。

私がいることに驚いているようだが、私のことに触れる人もいなければ、5人が説明する様子もなく2階の部屋へと連れていかれた。