眠り姫

皇「お前、大和の古狸を知っているか。」

慶(源)「はい?」

皇「ハッハッハ。大和国で権力を得ている藤原殿のことだ。」

慶(源)「もしかして、藤原武知|《ふじわらのたけち》殿のことでしょうか。良くない噂も耳にしますが…そのお方が何か。」

皇「ほう、お前も知っていたか。
藤原殿は都の遷都に大反対し、最後の最後まで我が一族に反発してきた輩のひとりだが、どうやらその古狸が今、中央の見張りがないのをいいことに、好き勝手やっているらしい。」

慶(源)「話は聞いたことがございます。
確か、不作ではなかったはずの地域で、飢饉が起きたとか。」

皇「そこまで知っているのなら話が早い。
父上が、その事について調べよと命じられた。」

慶(源)「私にということは、秘密裏に確証を掴まれたいのですね。」