眠り姫

美「だから、時間をくれないか?」

「時間?」

美「私達は少し特殊な環境で育ってきたから、必然的にお互いに執着心を抱いていることは否めないと思うんだ。」

それは俺も考えたことだった。

きっと俺たちの間には、他の家族間にはないような何かしらの強い思いがあるのだと思う。

美「もちろんどちらにしろ大切な存在であることは変わらないが、私はそれが家族愛なのか、恋愛としての愛情なのかきちんと考えた上で向き合いたい。」

そう言って俺に強い眼差しを向ける。