眠り姫

「ほら、俺は血が繋がってるって思ってたわけだし、姉に対してそんな風に感じたことに焦ってさ。
俺なりに馬鹿な頭でいろいろと考えて。
みぃは唯一の家族なのに取られるみたいで嫌なのかなとか、せっかく覚悟決めたのにその必要がなくなるかもしれないことにムカついたのかなとか。」

とにかくその感情の言い訳を考えることに必死だった。

「でも、その時点できっともうダメだったんだ。
みぃが何よりも大事で、誰にも渡したくないって思いが日に日に強くなっていってた。」

良くないことだと分かっていてもみぃへの思いは強まるばかりで、自分ではどうしようもなかった。

告げることも、捨てることも出来ずにくすぶり続けて、いつしか俺は考えることを諦めた。