眠り姫

家族というのはつくづく不思議だと思う。

美しい水の中で永遠にこのまま…

そんなふとした感情まで伝わったのかと、少しでも不安にさせたことを申し訳なく思った。

それでもきっと息苦しさに安心を覚えたのは、そんな風に思ってくれる翔が、みんながいてくれると思ったからだろう。

最近の私は、どうやらわがままになっているようだ。

「翔を置いてどこかに行ったりするわけないだろう。」

こんなに愛しい家族を置いていくことなど、それこそ私にとってはありえないのだから。