眠り姫

プールの縁に座って、和くんに渡されたスーツに手をかける。

キラキラと紺色に光ったそのウエットスーツは、びっくりするくらい私にピッタリのサイズだった。

和「わぁ〜!
やっぱりすっごく似合ってるぅ〜!
美麗ちゃん本物の人魚姫みたいだよぉ!」

いや、本物を見たことがないだろ。

慶「本当に。
よく似合っていますよ。」

慶介までもがにこやかに褒めてくれる。

さすがに照れくさくなって、慌ててプールに入ると、足に重りを付けられているような不便さがある。

プールの縁を掴んで何とか慣れてみようと試みるが、思いのほか難しい。