眠り姫

翔でさえ知らないようだ。

美｢はぁぁ。
だから言いたくなかったんだ。｣

途端に美麗が困った顔をして話し出した。

美｢翔がうちに来る少し前まで隣の家には今とは違う家族が住んでたんだ。
普通の3人家族の家だったんだが、もともと両親とすごく仲が良かったみたいで、物心つく頃にはお互いの家を毎日行き来してた。｣

翔｢で、その家とまだ仲がいいんだ?
なのに、なんで俺には秘密だったの?｣

美｢そうちゃん…その家の子供も人と接するのが得意じゃなかったみたいで、私のことは大切にしてくれるんだが、他の人にはだいぶ冷たくて。
翔が家族になったことを報告したときも会わなくていいって聞かなかったんだ。
それで、親同士で話し合って私だけがたまに会いに行くことになった。｣