私を見つけないで…!

私は小さくなりながら毛布にくるまる。

見つかったらダメだ。
見つかってしまったら…

その想像が私をより小さく、もっと毛布の奥へと丸まらせる。
心臓がドクドクとうるさい。

いつまでたっても誰かから見られているような、視線を感じる。
ここなら…ここなら見つからないと思ったのに…

足音がする。体がビクッと反応してしまう。
足音の持ち主は私の些細な動作に気付いてしまったようだ。
足音が近づいてくる。
嫌な汗がしたたり落ちる。

どうか…!毛布を見ないで…!

祈る気持ちも虚しく、私の毛布は剥がされてしまった。

「みのりちゃんみーつけた!」

途端に視界が開け、眩しくて目を細める。

「あー!見つかっちゃったぁ…また私が1番?」

「ううん、チカちゃんは見つけたけどレイちゃんはまだだよ!」

「そっか!じゃあ3人でレイちゃんを探すぞ~!」

「「おー!」」

「レイちゃん探せたら次は4人でなにしよっか?」

「トランプやりたい!」

「おー、皆でババ抜きしよ!」

カーテンが揺れた。

「あ、レイちゃんみーつけた!」