──友希が、私の名前を呼んだ。



ちゃんと、私のことを覚えててくれた。



「そうだよ…友希、元気だった?」



「ん、俺は普通に元気だったよ。」



「まさか転校生が友希だと思わなくてびっくりしちゃった。」



「え?お前おばさんから聞いてねえの?」



…ん?何のことだろう?



友希の言うおばさんはおそらく私のお母さんのことで…。



もちろん何も聞いてないから、思わず首を傾げてしまう。



「お前何も聞いてねえのな…おばさんは知ってると思うけど、俺が朱莉と同じとこに転校するって。」



「ええっ!?」



静かな教室に思わず私の声が響いてしまった。



「あっ…、すいません…。」