季節外れの線香花火

とりあえず私の家でちゃっかり夕飯を食べて近くの公園に向かう。

「ねえ、なんで線香花火だけなの?どうせならほかの花火もしたかった」

「あー、それはな、これこの前花火したときの余りもんなんだよ」

「なにそれ、私は余りもんの消化に付き合わされてんの?」

嫌味たらしく冗談を交えながら歩いたその先にあるのは昔馴染みの小さな公園。

「ほんじゃバケツに水入れてくる」

そう言って水道に向かう後ろ姿を眺めて胸が苦しくなってしまう。

幼馴染としてじゃなくて、恋人同士だったら、

そんな欲張りが許されるはずもないだろう。

それなら私はこの気持ちを、線香花火の火と共に消し去ってしまおう。