教壇にはさっきまでいた若い男の人はいない




本鈴が鳴った




チャイムの音と同時ぐらいに

あの若い男の人は教室に入ってきて

私の目の前の教壇に静かに立った



(全然ちゃうやん。)



それが私の先生に対する第一印象だった。


姉や友達から散々『イケメン!』だとか『琴乃の好きなタイプ!』と言われ

期待に期待を重ねていた私は正直ガッカリした

決して不細工では無いけれど…好みでもない。



「え〜 これから始業式が始まりますので、廊下に名簿順に並んでから体育館に移動します。」

見た目から想像するより少し低い声だった