もちろん王様はイスに座ったまま
微動だにしなかったけど
夏目くんは違った。
積極的に殴る蹴るを繰り返していた。
夏目くんに何があったのかは分からない。
虫の居所が悪かっただけなのかもしれない。
今日もひと仕事終えた王様達は
満足気に微笑みながら私の隣を
通り過ぎる。
偉琉「戦うなんて偉そうな事
言っておいて、ただ見てるだけなんて
ダセェな、お前。お前の反逆は
そんなもんなのかよ。」
今は王様じゃない。
私の標的は夏目くんなんだ!
葉瑠「夏目くん!...何で...」
偉琉「壮吾。お前はいい奴だ。
明日も頼むぞ。」
壮吾「任せろよ。」
私は思い出す。あの日に聞いた
夏目くんの話を。
そして、考えるんだ。
夏目くんに仲間になってもらう方法を。



