葉瑠「通山くんが持ち去った
夏目くんの写真。
...あれは唯一の家族写真なんだよ。
夏目くんと妹さんが一緒に
映ってる最初で最後の写真なんだ。
...多分あなたが思ってるより
ずっと夏目くんは大切にしてた。
もしかすると、世界で一番
大切な物だったのかもしれない。」

幸夫「...そんな...。」

葉瑠「分からないよね。
だって、通山くんの家には
沢山の家族写真があるから。
毎年1枚、皆で撮るんだよね。
今年でもう17枚目。
1年に1枚増えていくから
その大切さには気付けないよね。」

幸夫「...僕は...ただちょっと...夏目くんを
困らせてやろうと思っただけなのに
そんなに大切な物だったなんて...」

葉瑠「間違えないで。通山くん!
あなたは大切にすべき物を
ちゃんと知ってるんだ!」

夏目くんは通山くんの元へ行くと
その手を握った。