葉瑠「聞いてもいい?
何があったのか...。」
叶斗「ああ。」
輝龍くんは話してくれた。
叶斗「俺と美乃の兄、実は
幼稚園の頃からの友達だった。
実と仲良くなってから美乃とも
よく遊んだりするようになった。
友達って言うよりも家族みたいだった。」
ほんの少しだけ驚いた。
輝龍くんにもそんな風に
仲の良い友達がいたんだって。
叶斗「小さい頃の美乃はいつも
自分に自信がなかった。
いつも実に聞いていた。
お兄ちゃん、私可愛い?って。
実が可愛いって答えると美乃は
少しだけ自信を持つ事が出来た。
でも、いなくなった。去年。」
葉瑠「いなくなったって?」
叶斗「実が自殺したんだ。」
葉瑠「どうして?」
叶斗「中学3年の頃、些細な事で
喧嘩した俺たちはズルズルと
その事を引きづって疎遠になった。
だから、知らなかった。
実がこの学園に通っている事も。
公開処刑の標的になっていた事も。
知ったのは、実が学園を辞めた後だった。
そのすぐ後に実は自殺した。」



