私たちの世界を変えよう。 そう言っていた大倉くんの日常は 悲惨なものだった。 大倉くんという絶対的な 弱者の登場以降 私たち賤民はいじめられなくなった。 だけど、辛かった。 あまりにも辛辣なその行為を 毎日のように見なくちゃ ならない日々に心が折れそうだった。 自分がいじめに遭った時よりも ずっとずーっと辛かった。 私の事を助けてくれた英雄が。 大切な事に気付かせてくれた 救世主がボロボロになる姿を 見ているのは辛かった。 傍観者じゃない。 私もれっきとした加害者だ。