私は昨日、お母さんに貰った
チラシを輝龍くんに手渡す。
そのチラシに目を通した
輝龍くんは私に返してきた。
叶斗「遠慮しておく。」
葉瑠「どうして?」
叶斗「あの時、サクは言った。
俺の夢を壊したのは皆だと。
でも、違う。俺の夢を壊したのは俺だ。」
葉瑠「どうゆう事?」
叶斗「父は小説家になりたかった
でも、父も小説家になる事を諦めた。
どうせ無理なんだ。芸術家なんて
なれるはずがない。だから、もういい。
俺は夢よりも利口に生きる事を選んだ。
絵が描ける。それだけで俺は十分だ。」
葉瑠「でも......!」
私の言葉なんて聞きたくない。
そんな風に輝龍くんは
私の言葉を遮った。
叶斗「あんまり遅くならないようにな。
偉琉が心配するぞ。じゃあな。」
だから、何にも言えなかった。
でも、本当にこれでいいの?
私は2人を放っておいていいの?



