全てのファイル保存し終えると、永田係長が「サンプルを工場の方に取りに行ってくる。悪いが早川さんに今から野村の後を追って現地入りして貰う。俺が戻るまでに今日急ぎの業務を片付けてくれ。残った場合は俺が引き取る」と伝えられて私は頷いて自分の席に戻り残りのデスクワークに集中した。

周りはいまだに山下くん事でざわざわと騒いでいるけれど、今はスピードが勝負だ。

永田係長が工場まで往復する時間は一時間と少し。

それまでに私の確認が必要な物だけを引っ張り出して当面の目処を付ける。

残していける仕事は、先にこなすものからインデックスをつけて纏めていった。