あれからというも、仕事中も二人の姿をみつけると胸の奥がズシリと重い。
目の当たりした一つの恋の終わりが、自分の古傷を連れてきたみたい。

モナはきっと、私の元気が何となくないことと原因に気がついている。

誰にもバレないように、デスクで小さくため息をついた。


「お疲れ様です」

気持ちを切り換えようと、廊下にある自販に来ると野村くんにバッタリ出くわした。

朝から外回りだったらしく、今日会うのは15時を回った今が初めてだった。