それから私は、
貴子と一緒に喫茶店に入った。
お互いにパフェを注文して、
黙々と食べた後、思い切りお喋りをした。
貴子には高田くんとのことを聞かれたけれど、
私は笑って誤魔化した。
つまらなそうに貴子は笑ったけれど、
それ以上のことは聞かなかった。
私たちは話してみると結構共通点がとても多くて、
びっくりした。
貴子のような完璧な女の子でも、
案外私と同じような趣味や考え方を持っているんだなと思うと、
なんだかおかしかった。
自分にとって遠い存在のように思えていた子が、
わりと近くにいる。
そう思うと心のモヤモヤがとれていくような気がした。
そんなに卑屈にならなくていいんだ。
私は普通なんだって言われているみたいで嬉しかった。
散々話した後、
私たちはその喫茶店で別れた。
手を振って私を見送る貴子に手を振り返して、
進行方向を見つめて歩き出した。
心臓がドキドキいっている。
足どりはしっかりしていて、
気付けば私はスキップをしていた。
体が軽い。心も軽い。
明日の学校が楽しみだ。
〈良かったな。仲良くなれたみたいで〉
「うん。案外簡単だったのかも」
〈そんなもんだよ〉
珀は私の隣を歩くと、ふっと笑った。
私は立ち止まって珀を見ると、
少しだけ微笑んで「ありがとう」と言った。
珀に聞こえていたのか聞こえていないのかは分からなかったけれど、
珀は一度私を見て、それから唇に大きく弧を描いた。
今日はいい一日になった。
家に帰ったら早く小説の続きを書こう。
そう思ってまた歩き出した時、声が聞こえた。
〈ずるい〉


