私は、授業は聞いていない。


いつもこのノートとにらめっこ。


何をしているのかって?


物語を作っているのよ。


誰かに見せようなんて思った事もないから、
書きあげたら自分の中で満足して終わらせる。


そしてまた思いついたお話を
このノートに綴っていく。


誰にも邪魔させない、有無を言わせない。


この時間は、この空間は私だけのもの。



いつも頭の中に浮かんでくる。


それは止まらない。


思いついたお話を書いているうちに
次のお話が浮かんでくるから、
私は浮気性だ。


完結しないままお蔵入りになっているお話がいくつもある。


だからといってどうこうってわけじゃないんだけど。


私はただ適当に思いつくまま、
気持ちの浮き沈みに抗うことなくお話を書いている。




小説というものを書き始めたのは
小学四年生の頃だった。


当時は漫画を描くことにハマっていて、
いつも漫画を描いていた。


だけど私に絵の才能なんてこれっぽっちも無くて、
単調な絵にセリフをつけていくだけの作業がたまらなくつまらなかった。



私のやりたいことはこんなことじゃない。


絵を捨てて文章だけを書くようになったのは
小学四年の夏だった。