それより何よりもこだわり抜いたこの家を手放すことができなかった。
 
 夫は単身赴任という形で泣く泣くこの家を一旦離れることになった。
  
 娘が寂しがりやなのはこれが原因の一つなのではないかと私は考えている。

 抱えられたぬいぐるみも、それを知った夫が買ってきたものである。
 
そして単身赴任が始まって二年が経ち、嬉しいことに夫が転職を機に戻ってくることになったのだ。