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まずい―



そう思った頃にはもう遅くて、

酔いも手伝ってか
ぼろぼろと涙が溢れてきた。

その勢いはとどまることを知らず、
ついに嗚咽までこぼれるほど
私は泣きじゃくり始めた。



彼はぎょっとしたように
慌てて自転車を止めた。

そして、「どうしたんだよ...」と困った顔で
聞かれて、私はとうとう我慢できなくなった。

もっと困らせてしまえばいい。

そんな投げやりな気持ちになって
思いの丈を吐き出した。



「好きだよ。ずっと、ずっと昔から
私が付き合いたい相手はアンタだけだよ。」



涙声で、情けなく震えた声で、
びっくりするくらい大きい声で、
半ギレで、

もうめちゃくちゃだった。




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