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駅に着いて、改札を抜けて、
再び盛大なため息をつく。

飲みに行って終電前に帰ってくる女ほど
感傷的な生き物はいないのではないか。

くだらないことを考えながら
のっそりと歩きなれた道を歩き始める。



｢おい、｣



突然、背後から聞きなれた声に名前を呼ばれる。

振り返ると、そこには
今日本当は一緒に飲むはずだった
もう1人の幼馴染が手を振っている。

彼こそが私が10年以上も想いを寄せている
想い人だ。

私が早めに帰宅する連絡を受けたらしく、
急用の帰りに迎えに来たという。

｢乗れよ｣と言われて、
私は彼の自転車の後ろに座る。



思えば、
学生の時もよくこうやって帰宅したものだ。




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