ピンポーン

(こんな時間に誰だろう?)

時計の針は夜の11時を指している。

覗き穴がないので、チェーンをかけたまま恐る恐る玄関のドアを開ける。

「小林くん!?」

そこには私が担任をしているクラスの小林くんがずぶ濡れで立っていた。

慌ててチェーンを外してドアを開け直す。

「どうしたの。こんなにずぶ濡れで。今タオル持ってくるからとりあえず中入って」