学校から少し離れた路地に入るとようやく美紅は足を止める。 「ご、めんね。拓也。」 「いや、大丈夫。てかさ、二人知り合いだったの?」 拓也は不思議そうに首を傾げた。私はバレないように曖昧な返事を返す。 「でも、あれ。彼氏とかじゃないしっ!うん。仲良くなんかないから!」 下を向きながら言う。 拓也には誤解されたくない。 あんな奴―――… 嫌いだし。 そもそも私が好きなのは 拓也だよ。