「違うわよっっ!」


うわーんと枕を顔に押し付けて泣いた。龍玖はどんな顔をしていたのかな?
嬉しそうな顔?
それとも―――…?



ダンッ
龍玖は私を壁に押し付けた。
胸辺りを指でなぞり、いきなり爪を立てた。

ギリギリ…


「い、った………」


血が滲むのが見える。
龍玖は血を舐めた。
冷たかった。
ヒヤッとした感触…



「泣くなよ、涙が一番目障りなんだよ――…!」





その時の












その時の













龍玖の顔は














哀しそうに











歪んでいた――…