いつもは見せない真面目な顔に、俺は頷く。そして公園の外に飛び出した。

数十分間、俺たちは何も言わずに公園を見つめていた。いつ爆発が起きるかわからない。そう思うと背筋がゾクゾクする。

まるで永遠の時間を過ごしたように感じた。公園からミント色のロリータを着たリリーがスキップをしながらやって来た。

「やっほ〜!みんなもう大丈夫!爆弾は解体されたよ〜!」

リリーが明るい笑顔を見せ、俺やレムを含め、避難している人々は全員困惑した。

「それは本当なのか?」

「もう大丈夫なの?」

誰も公園に入ろうとしない。疑いの目をリリーに向けている。

「リリー…」

俺が声をかけると、リリーはため息をつき、言った。

「はあ〜……。ほんとはステージでするつもりだったんだけどなぁ」

リリーは息を吸い、歌い始めた。聞いたことのない歌だ。

その歌は共通語だけでなく、タンバリー語やドリス語など様々な言語で歌われていた。リリーの美しい歌声に、みんなの困惑した表情がしだいに微笑みへと変わっていく。