焦る俺とレムの横で、リリーが何かを覚悟したような表情をした。

「二人は逃げて！私は応援を呼んでくる！！」

そう言い、リリーはどこかへと走って行った。止める間なんてないほど、リリーの行動は素早いものだった。

「とにかく、俺たちは安全に避難させよう！」

レムにそう言い、我先にと逃げようと叫び続ける人々のもとへと向かう。

「静まれ！！落ち着け！！」

大声を出しながら、俺たちは必死に客を誘導する。最初は自分だけでもという考えだった者たちも、俺が睨むと静かになった。

そんな喧騒の中、俺はあるものを目撃した。それはタンバリー国の警察たちの姿だった。爆弾のあるステージの方へと向かっていく。

その警察たちの制服には、なぜか王冠のエンブレムがついていた。会場で朝などに見たタンバリー国の警察の制服にはついていなかった。

俺が不思議に思っていると、後ろから「おい！」と後ろからレムに頭を叩かれる。

「早くお前も公園から出ろ！！爆発するぞ！」