俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」

しまった、と言いたげな顔に、俺は意地悪な笑みを浮かべた。散々こっちはからかわれたのだから、お返ししてもいいはずだ。

「お前は俺をからかった罰として、今からこの砂浜を三十周走ってもらうからな!」

「ええ〜!!嘘ッ!!」

顔が真っ青になっていくリリーの服を、子どもたちが引っ張る。その子どもたちに、リリーは何かを早口でギール語で告げた。その瞬間、子どもたちは腹を抱えて笑い出す。

「何て言ったんだ?」

俺が訊ねると、リリーは「ないしょ!」といたずらっぽく笑う。しかし、横から俺の味方が現れた。

「ギール語で『こんなムキムキマッチョなおじちゃんになっちゃダメだよ!このおじちゃん、本当はお巡りさんなのに、刑事さんに間違えられてるんだよ!』と言いました」

ジャックがそう笑顔で告げる。リリーの顔はさっと青くなった。

俺はますます意地悪に笑う。

「二十周追加だ!」

リリーの絶叫が響いた。



ギール国から帰国して、一週間後にギール国で行われるはずだった会議がドリス国で開かれた。

「しばし、会議を中止させてもらいたい」

小町の話が終わった後、俺は立ち上がり、ある人物の後ろに立った。