俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」

「リリー!!」

大声を出すと、本人はすぐに気がつき、のん気に俺に手を振った。ギール人の子どもたちも同じように手を振っている。

俺はリリーたちのもとへ走った。そしてリリーの細い肩を掴む。

「お前の常識知らずもほどほどにしろ!!朝早くから騒ぐな!!」

リリーは「ごめん、ごめん」と笑う。その笑顔を見ていると、怒りが吹き飛んでしまった。憎めない奴なのだろう。

「朝の海がとてもきれいって聞いたから、どうしても見たかったの。みんなも一緒に散歩しようって誘ってくれて」

そう嬉しそうに言うリリーの服を、小さな子どもが引っ張る。リリーはその子どもの目線を合わせようと、しゃがみ込んだ。

「×××××××××!」

その子どもは笑顔で何かを言った。しかし、何を言ったのか全くわからない。ギール語だからだ。

世界平和対策本部では、世界共通語と呼ばれる言語を話している。しかし、各国にはそれぞれ公用語が存在するのだ。

「××××!」

リリーはとても流暢なギール語を話した。それに俺は驚いた。