俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「上」

胸の高鳴りが止まらなかった。顔や体が熱くて、恥ずかしい。

「……全く、お前という奴は!」

「わわっ!ごめん」

リリーが謝る。背が高いので、目線が小町やフローレンスよりも近い。

「お待たせ〜!!ちゃっちゃと作って来たヨ〜!」

バンと部屋の扉が開き、たくさんの料理を持ってリーとアレックスが入ってきた。

「待ってました!お腹ペコペコ〜」

リリーがはしゃぐ。俺はテーブルの上を拭き、きれいにした。

「私の国の自慢の料理ネ!!」

リーが作った料理の数々は、たしかに俺の国でも見たことがない。しかし、どれもおいしそうだ。

「俺はアップルパイ作ったよ!食後のデザート!」

アレックスがおいしそうなアップルパイを、嬉しそうに笑いながらテーブルに置く。

「俺の母さんがよく作ってくれるんだ」

そう言い笑うアレックスを俺は羨ましく思った。俺は母親の味を知らない。

ふと横を見れば、リリーも俺と同じような顔をしていた。

「リリー」

つい、声をかけてしまう。