リリーは嬉しそうに笑いながら、仲良くなったギール国の警察官におすすめのホテルを聞いていた。外国人ということで、俺たちはとても警戒されているはずなのに、リリーはなぜこんなにも人と仲良くなれるのだろう。

海がよく見える丘の上に建っている古城を改装したホテル。外見がとてもきれいで、暗い顔をしていたフローレンスや小町もその美しさに見とれていた。

そのあと着替えなどをそれぞれ買いに行き、夕食も各自で食べるーーーはずだった。

「リーバス!ご飯食べよ〜!」

部屋で休んでいた俺のところに、リリーとアレックスとリーが飛び込んできた。

「キッチン使ってもいいってさ!何か一緒に作ろうよ」

アレックスが目を輝かせながら言う。リーやリリーも楽しそうに頷いた。

俺はため息をつきながら、ソファから立ち上がり言った。

「お前たちは、もう少し空気を読んでくれ。疲れてるんだ」

事情聴取が思った以上に長く、精神的にとても疲れていた。もうこのまま眠りたいほどだ。